26課 概要
普段、何気なく使っている「~んです」
これってどんな時に使うの?
使わないときと何が違うの?

私なりにまとめてみたよ!
26課の「~んです」を大きくわけると
①見聞きしたことから推測する用法
(知りたい気持ちがある)
②自分の状況を言う「~んです」
③理由の「~んです」
・理由を問われたときの返答
・状況を答えた後に、理由を付加
④依頼の前置き「~んですが」
⑤質問の前置き「~んですが」
見聞きしたことから推測する用法
例文1、2 練習A-2 練習B-1、2
練習C-2
<検証・注意事項>
相手の様子などを見て、疑問に思ったり、理由などを知りたいとき
(例)その靴、素敵ですね
どこで買ったんですか
(10階まで階段で行こうとする人に)
エレベーターに乗らないんですか
相手の様子や態度から、自分が考えた状況が正しいかどうか確認するとき
(例)(あくびをしている学生に)
眠いんですか
(手作りっぽいお菓子をもらった)
山田さんが作ったんですか
「~んです」を使わないとどうなる?
「~んです」が何かの感情を表現しているの
ならば、使わない場合は「事務的」な印象に
なるのではないでしょうか
A:お酒を飲んだんですか
B:お酒を飲みましたか
Aは知っている人の顔がやたら赤い
お酒でも飲んだのかしら?と思って
「赤いですよ。お酒を飲んだんですか」
「ええ」
「どのくらい飲んだんですか」
「ビール5本くらいかな」
「よく飲みましたねぇ」
なんて会話があるかもしれません
Bは例えば検問で、お酒臭いドライバーに
聞きます
①「お酒を飲みましたか」
②「お酒を飲んだんですか」
この場合は「~んです」を使わないほうが
自然ではないでしょうか
おそらく警察官はまず「はい/いいえ」の
事実が知りたいからじゃないかと思います
警:飲酒しましたか
運:…はい、すみません
警:どのくらい飲みましたか
運:ビール5本
警:そんなに飲んだんですか!
みたいに
最後は驚きで「~んですか」を
使っちゃうかもしれません
どっちにしろ、ちょっとした状況の
違いなどで使ったり使わなかったりする
のが悩ましいところですよね
日本語教師泣かせな文法です

また良い例を思いついたら
更新します
自分の状況を言う「~んです」
練習B-3
<検証・注意事項>
相手に聞いてほしいことを言うとき
例)このかばん、パリで買ったんです
実は仕事を辞めようと思っているんです
街で芸能人を見かけたら、人に言いたくなりますよね
(聞いて、聞いて)昨日、〇〇を見かけたんです!
めちゃくちゃ自慢の気持ちですよね
「昨日、〇〇を見かけました」では
事実の報告だけで、気持ちはあまり
伝わりませんよね
「どうしたんですか」の返答として
人に「どうしたんですか」と
聞かれるときを考えると、
自分が困っていたり、ご機嫌だったり、
平時と違う様子のときだと思います
持ってきたはずの鍵が見当たらなくて
焦った顔でかばんをあさっていると
「どうしたんですか」と問われ、
「鍵が見つからないんです」と返します
また、嬉しいことがあってご機嫌を隠し
きれないとき
「どうしたんですか」の問いに、
「昇進が決まったんです」なんて
言うこともあるかもしれません
もちろん、「~んです」を使わなくても
伝わりますが、困った・嬉しいなどの
感情はあまり読み取れません
練習Bにある「頭が痛いんです」
「切符が出ないんです」などは特に
困った気持ちが伝わる「~んです」を
使ったほうが、聞き手も助けてあげたい
気持ちになるかもしれません
「どうしましたか」と「どうしたんですか」
お医者さんを患者の例文でよく
出てくるヤツ…
確かにお医者さんに第1声では
「どうしましたか」のほうが自然な
気がしますが、バシッと理由がわからない…
以下の状況で検証してみました
<状況A>
お客さんがサービスカウンターの前で
立っている
①お客様、どうしましたか
(どうなさいましたか)
②お客様、どうしたんですか
(どうなさったんですか)
①のほうが自然に感じます
<状況B>
サービスカウンター係じゃないスタッフが
ずっと立っている
①田中さん、どうしましたか
②田中さん、どうしたんですか
これはどちらもあり得そうですが
②で問われる可能性のほうが
高い気がします
②は何でいる必要がない田中さんが
ここにいるの?何かあるのかしら?
という気持ちが強いのでしょうか
①にそこまでの感情は読み取れません
「どうしましたか」のほうが
フラットに情報を得ようとする
印象があります
初対面の人やあまり知らない人に
対して何かしらの感情を含む表現は
ふさわしくなく
最初の問いかけには「どうしましたか」
を我々ネイティブは使いがちなの
かもしれません
<状況C>
友達がずっと自分を見ている
①どうした?
②どうしたん?
どっちもアリですが、②のほうが
より強く理由を知りたがっている
ように聞こえます
<状況D>
友達が血を流して現れた
①どうした?
②どうしたん?
おそらくほとんどの人は②で
「どうしたん!?」くらいの感情で
言うのではないでしょうか
<状況E>
診察室に呼ばれてお医者さんに
①どうしましたか
②どうしたんですか
事実を知りたいお医者さんの
第1声は①のほうがやはり
自然な気がします
具合が悪いから来たことが大前提で
どこがどう悪いのかという
「事実」を知りたいから
この表現が自然なんでしょう
「どうしましたか」と言われて
私が急に泣き出したところ、
「どうしたんですか」と言われるのは
アリですけどね
理由の「~んです」
<理由を問われて>
例文3 練習A-3 練習B-4
練習C-1
<理由の付加>
例文4 練習A-4 練習B-5
<検証・注意事項>
言いたいことが「事実」だけか「事実+気持ち」か
これも非常に微妙な使い分けで、
理由の「~から」を絶対使っては
いけないわけではない場合が多い
と思います
例えば練習B-4に出てくる会話でいうと
返事が
「今のうちは狭いですから」
「ダイエットをしていますから」
でも大きな問題はなさそうです
しかし、3)の
「どうして会議に間に合わなかったんですか」に対して
「新幹線が遅れましたから」は
違和感があります
「から」が事実を、
「~んです」が事実+気持ちを
表現するのであれば、
・新幹線が遅れましたから
→新幹線が遅れたことが言いたい
・新幹線が遅れたんです
→新幹線が遅れたから遅刻したんです、
すみません
という感じでしょうか
3)の場合は「~んです」のほうが
自然に感じます
質問に対してまず「はい/いいえ」で答えて、そのあとに「~んです」で理由を付加
「どうして~」と問われてからの
返答ではなく、質問に答えてから
その理由を付け足す用法です
よく本を読みますか
はい、読みます。本を読むことが好きなんです。
のように、前件で結論を言い、
後件で理由を述べます
依頼の前置きの用法
例文5 会話 練習A-5 練習B-6
練習C-2
<検証・注意事項>
人に何か依頼するときに、まず理由、自分の立場、状況を「~んです」で述べる
「財布を忘れたんですが、
お金を貸していただけませんか」
のように、私たちは人に何か
お願いをするとき理由を述べます
急に「お金を貸してください」と
言われれば、理由がわからず
不信がられますよね
この用法を使うと遠慮がちで丁寧な印象になる
①先生、教科書を忘れましたから、
コピーをしてください
②先生、教科書を忘れたんですが、
コピーをしていただけませんか
目上の人や、知らない人にお願いする
ときは「~が、(依頼)」を使うと
思います
日本語教師をしていたとき
失礼にならない言い方
というのは学生にかなり需要があり
喜ばれました
前置きの「が」
このときの「が」は逆説じゃなくて
前置きの「が」です
よく使われる例としては
・お願いがあるんですが
・お聞きしたいことがあるんですが
・〇〇の件なんですが
・すみませんが
前件が大切
文脈によっては後件がなくても
言いたいことがだいたい伝わります
・(駅の観光案内所で)
嵐山に行きたいんですが…
・先生、わからない問題があるんですが…
質問の前置きの用法
例文6 会話 練習A-6 練習B-7
練習C-3
<検証・注意事項>
人に質問するときに、まず理由、自分の立場、状況を「~んです」で述べる
京都旅行で金閣寺に行くバスに
乗りたいが、何番バスかわからないとき
「金閣寺にいきたいんですが、
何番のバスに乗ったらいいですか」
と聞きますね
何の状況や理由を言わずに
「何番のバスに乗ったらいいですか」
だけでは会話になりません
まとめ
普段使われまくっている用法
ですが、説明が難しい課だと
思います
「~んです」を使った場合と
使わない場合の意味合いの違いや
目上の人に対する言い回しなどを
しっかり伝えてあげられれば
学生にとって満足度の高い
授業になるのではないでしょうか
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